「しょうき」は五月人形に欠かせない人形

今でこそ五月の節句にしょうきさんが登場することは少なくなってきましたが、かつては一世を風靡したお人形です。

それには、飾って男の子たちに見習ってほしいという親の希望が込められていたからです。

しょうきは、正しくは鍾馗と書きますが、中国の唐の時代の人物です。

高級官僚になることを決心して都に上がり、試験を受け、トップで合格します。

状元という称号まで受けたのですが、玄武皇帝に謁見した際に、大男で、ひげ面で悪い人相であったため、称号を取り消されてしまいます。

絶望して鍾馗は自殺してしまいます。

その後、玄武皇帝がマラリアで高熱を発しているとき、夢で悪鬼を退治する大鬼の夢を見ます。

大鬼は鍾馗だったのです。

自殺に追い込まれたものの、手厚く葬られた恩から鍾馗は、天下国家の災いを除こうと誓いを立てていたと夢の中で言いました。

その言葉で皇帝は夢から覚め、全快します。

皇帝は自分が短慮で取り返しのつかないことを反省しました。

それ以来、鍾馗は受検の神様、疫病除けの神様として祀られたとのことです。

これが、鍾馗の恩を忘れない、情の深い、そして頭の良いところを見習うようにと五月人形として飾られる謂れです。